幼いころから料理人に憧れていて、調理師専門学校を卒業後、さまざまなレストランで経験を積んできました。最後は広島市の百貨店の外食事業部に勤めていたのですが、運営会社が業績悪化で民事再生法を申請したんです。ちょうど独立を考えていた時期でもあったので退職し、2003年に事業をスタートしました。最初に手掛けたのは、料理の経験を活かしつつ営業がしやすい「高齢者向けの配食弁当サービス」です。当時は介護保険制度が始まって3年ほどで、介護への関心や需要が高まっていたことも背景にありました。事業は順調でしたが、車の維持費や燃料費といったランニングコストが大きな負担となり、このままでは長く続けられないと考えました。
そこで2006年、「さくら介護グループ」と出会い、経営陣のお話に強く共感したことから加盟を決意し、介護事業を本格的に始めました。

私たちが一番大切にしているのは「地域とのつながり」と「信頼関係の構築」です。
介護はプライベートな領域に深く関わる仕事なので、利用者さまご本人はもちろん、
ご家族との信頼も欠かせません。
ときにトラブルが起こることもありますが、その多くは関係者それぞれの受け止め方の違いによるものです。特に認知症の方の場合、事実とは異なる認識をされることもあります。そうしたときに備え、発言内容をしっかり記録し、LINEなどを通じて共有するようにしています。誤解や行き違いを防ぐ工夫ですね。また、月1回の外部講師による研修や、社内ミーティングを行い、知識のアップデートや情報交換を重ねています。
地域の方々に向けても、毎年オープンイベントを開催して、会社を知っていただいたり交流を深めたりしています。さらに「さくらコンフォートくれ」は災害時の指定避難所にもなっていて、介護の枠を超えて地域に貢献できる存在でありたいと考えています。

私は異業種から参入しているので、現場のことは従業員から教わることも多いんです。だからこそ、プロの介護士としての意見を尊重していますし、社長として意見を押し付けるのではなく、「こういうのはどう？」と提案するスタンスを大切にしています。
利用者さま一人ひとりのニーズは本当にさまざまです。その違いをスタッフ自身がうまく汲み取り、ベストだと思う方法を実践できるようにしてもらっています。働き方については、ペーパーレス化による業務時間の短縮など、スタッフの負担を減らす工夫をしています。定時で上がってプライベートの時間を確保することも、長く働く上でとても大切です。実際に、今では残業を月10時間以下にまで減らすことができました。
社長としての使命は、従業員が働きやすい環境を整えること。これからもテクノロジーを取り入れるなど、業務改善を進めていきたいと思っています。

介護業界は、今後さらに人材不足が進んでいくと思います。だからこそ、外国人スタッフを受け入れる体制をしっかり整えていきたいですね。実際に今月からインドネシアのスタッフが加わっていて、周りのスタッフや利用者さまの声を聞きながら、安心して働ける環境を一緒に考えているところです。
事業面では、医療を強化した施設の開設を計画しています。パーキンソン病や末期がんの方など、高齢者という枠に入らない方でも介護を必要とされるケースがあります。そうした方々にも安心して暮らしていただける場を提供したいと考えています。
今後も福祉のさまざまな課題に取り組み、地域に貢献できる企業であり続けたいと思います。

「エミリード」という社名には、“笑顔を導く” という想いを込めています。訪問介護、サービス付き高齢者向け住宅、デイサービスなど幅広く事業を展開していますが、ここに至るまでには数え切れないほどの失敗や苦労もありましたし、今でも壁にぶつかることはあります。それでも私が大切にしてきたのは、いつも笑顔でいることです。笑顔でいれば、不思議とたいていのことは乗り越えられると信じています。
人生を前向きに、笑顔で楽しむことは、年齢を問わず誰にとっても大切なことです。家族と離れて暮らす利用者さまにとって、話を聞いてもらえるだけで心が軽くなり、安心できることもあります。だからこそ、利用者さまに笑顔になっていただけるように、あたたかい気持ちで寄り添える人を仲間に迎えたいと思っています。高齢者の暮らしを支えたい、前向きに頑張りたいという方。
ぜひエミリードで、一緒にたくさんの笑顔を咲かせていきましょう。